MAAMItan’s blog

2022年9月以降8月に永眠した妻の遺稿をアップロードし、その後は妻がこの世に生きた証を残したい思いで引き継いでいます。

あの世は

2022/5/4記

 

またその翌週の法要の用意で実家へ行った時に弟(長男)が言いました。

「この花を揺らすのも難しいみたいやで。返事してくれるかなぁ思って、仏前で同じように色々と話しかけたり尋ねてみたりしてるけど、花が揺れへんねん。。」

余命宣告を受けてから母が亡くなるまでの5ヶ月が色々と話せる時間でしたが、あっという間に過ぎてしまい、いざ亡くなってみるとまだまだ聞いておきたかったことが出てきて仏壇に話しかけていたみたいです。「返事が欲しいが、花は揺れない。」とのことでした。

 

そして次の週末、母と父の古い知り合いのおばさんが仏壇に参ってくれるとのことで弟(長男)の車で駅までおばさんを迎えに行く車中、最近会った弟の大学で同期だぅたT川君とのやり取りを説明しだし、涙が溢れだしました。

 

 弟(長男)が「オカンが連絡してきた。」というのでした。

どういうことか、と詳しく聞くと、大学の同期の友達T川君から連絡があり、二人で食事に出かけたそうです。そのT川君が話し出したのが、うちの母親のことだったそうで、

「お母さん、こんな歌好きやったよね。」と言って、母がよく口ずさんでいた歌を歌いだしたとのことでした。

「どうしたん?」と弟がT川君に聞いたところ、

「実は僕、誰にも黙っていてんけど、昔から霊感があって、若い頃には亡くなった人から受けるメッセージを遺族の人に伝えてあげようとやってみててんけど、頭や首が重たくなったり痛くて、体がとてもしんどくなるねん。だから、ずっとやってない。でも特別に君のお母さんのことは、伝えるね。」

 

弟が「うん。頼むわ。」

 

T川君、「お母さん、君の幼い頃いつも買い物に市場に行ってたよね。お姉さんと二人を連れて歩いていると市場で並んでいるお店のおじさんやおばさん達が次々と二人に話しかけるのがうれしくて、二人のことが自慢やったって言うてるよ。」

 

 それは紛れもなく、私(長女)と5歳離れている弟(長男)がよちよち歩いている頃、家から自転車で10分程の買い物にいつも通った商店街(今はシャッター商店街になっている)での実際にあったできごとで、その時ことと母の気持ちを伝えていた。

 

T川君「お母さん、今は痛くもなく苦しくもないよって言ってる。」

   

弟「えっ、そうなん。」

    

母?「今は体がなくなり、魂だけなので痛くもないし苦しくもない。空気にフワフワと浮いているみたいで心地よく、光のように上(天国?)に行ったりここへ戻ったり、ここにいることもできるけど、上に上がれるから、おじいちゃんとおばあちゃんにも会えたよ。あんたらにも会えるから心配しなくていいよ。」

   

弟「会えるっッてどういうこと?」

 

母?「迎えに来ることもできるし、会えるねん。」

 

弟「えッ迎えに来るのん!?生きてる自分たちを!!」

   

母?「そうじゃなく、死んだ後に上(天上の世界?)に移動してきて、例えば、電車を降りて改札を出てくるみたいなところに私が迎えに行ける感じかな? そこで会えるねん。」

   

弟「そんなことできるんや。」

 

T川君「そして人は、何回も生まれ変わるねん。だから、生まれ変わってもまた会える。」

 

弟「そうなん。」

 

T川君「何か伝えたい場合は、仏壇で伝えるといいよ。仏壇があの世とこの世をつなぐ窓口の様なところになって、そこで報告したりすると通じるねん。」

 

弟「そうなんや。」

 

T川君「僕は、お母さんの声が聞こえるというよりは、説明するとお母さんの伝えたいイメージが脳裏に浮かんでくるみたいな状態かな、それを言葉に替えて伝えているねん。」

 

弟 「そうっかぁ。」

 

T川君「お母さんに伝えたいこととか聞きたいことない?」

 

弟「ある!お墓をどうしよう?」

 

母?「お墓は、あんたらに任せる。だけど、喧嘩はせんといて‼」

 

弟「う、うん. わかった。」

 

弟「何かしてほしいことはある?」

 

T川君「お母さん、歌が好きでよく通っていたカラオケ店あったよね。そこがすごく楽しかったみたいやね。」

 

弟「あー、うんうん、あった〇〇〇や。」

 

T川君「お母さん、「そのカラオケ喫茶にみんなで行って、カラオケして、あんたらの声が聞きたい。」って言ってる。」

 

弟「そんなことできるん?どうしたらいいの?」

 

T川君「みんなで行くときに私の写真を持っていってほしいって言うてる。そして、その写真にひょいと乗って私はついていくからって。」

 

弟「そんなことできるんや。わかった。」

 

弟とT川君とのやり取りを聞いた後、私は言いました、「ここに母にいてもらって、子供だけになった家で母と一緒に楽しく過ごそう。」

それをT川君から母に伝えてもらいました。母と子供たちだけの穏やかな日がスタートした。(続く)